旅館ならではの働き方やキャリアアップに拘る草津の老舗旅館「奈良屋」|ゆくゆく採用成功事例紹介

佐野
佐野

こんにちは!「ゆくゆく」の佐野です!

「ゆくゆく」の人材紹介サービスをご利用いただいた宿泊施設さまの声をご紹介します。

今回は、「奈良屋」総支配人の佐伯さんに、採用への想いや大切にしているポイントについて話を伺いました!

奈良屋さま

奈良屋は、草津温泉の中心「湯畑」のそばにある老舗旅館。
明治10年に創業し、草津温泉で最も古くからある白旗源泉を引いています。

『ワンランク上、非日常のくつろぎ』を提供し、お客さまの期待にお応えする伝統を大切にした最高のおもてなしが「奈良屋」にはあります。

お話を聞いたのは…

奈良屋 総支配人の佐伯さん。
飲食業、服飾業を経て、奈良屋に入社し18年。

現在は総支配人として、複数店舗の運営管理や、グループ全体の採用も担当しています。

お客さまは「一人十色」ニーズに合わせておもてなしを進化

ーーー奈良屋さんは、明治10年創業と伺いました。
そこでまずは、奈良屋さんの歴史と、お客さまに対して大切にしていることやお客さまへの思いをお聞かせいただけますか?

奈良屋の歴史としては、明治10年に創業し、草津温泉で最も古くからある白旗源泉を引いています。

147年の歴史がありますが、最近で一番変わったこととしては、15年ほど前から草津の中心「湯畑」の開発が始まったことです。

湯畑のライトアップが始まり、もともと避暑地として8月が繁忙期でしたが、2・3月の卒業旅行の時期も同じくらいお客さまにきていただけるようになりました。

客層も20代の人が増えた印象です。
このように、時代の変化とともに、お客さまも変化しています。

また、十人十色と言いますが、お客さまは「一人十色」だと思っています。

お客さまもシーンによっては旅館に来る目的は様々です。
そのため、お客さまのニーズに合わせて、様々なプランを用意したり、施設作りをしています。

たとえば、草津を気楽に楽しみたいお客さまをターゲットにした素泊まり専用の『湯畑草菴』、のんびり散策計画を立てられる『足湯カフェ』など、伝統と新しさの融合が新たなお客さまを呼び、草津全体をもっともっと盛り上げたいと思っています。

観光業は未経験。派遣の仲居から総支配人に

ーーーそれでは、佐伯さんのご経歴を教えてください。

はい。私自身、最初は派遣社員の仲居として18年前に奈良屋に入社しました。
出身は茨城県で、もともと、飲食業や服飾業で働いていました。

実は、観光業は奈良屋が初めてなんです。

実際、草津にきて思ったのは、観光地が初めてだったこともありますが、いい意味で田舎だな〜と思いました。

茨城もそこまで都会ではないですが、草津では通勤も寮から歩いて5分でいけること、自然を感じながらの仕事環境に、気軽にスキーや軽井沢へ遊びに行けたりなど、のんびりとした生活や働き方がとても良いなと思ったのを覚えています。

ーーー観光業は未経験だったんですね。では、現在の奈良屋さんでの役割や、お仕事において大切にしていることも教えてください。

現在は、奈良屋の総支配人として働いています。
仕事内容としては、多岐にわたる施設の運営に携わっています。

たとえば、弊社は、草津に3店舗、東京に2店舗、グループ会社で3店舗を運営しており、そのすべての店舗の運営管理、それぞれの支配人のフォロー、売り上げ管理などをしています。

また、広告・採用に関することや、インバウンド戦略、店舗展開のための視察なども行っています。

そして、仕事において大切にしていることは、現場で働いている人の声をしっかりと聞くことです。

現場スタッフが一番お客さまとの距離も近いので、面談を定期的に行っています。

また、現場スタッフの指示は、私と現場の間に何名かいますが、適正な仕事量を決めるのに自分でやってみないとわからないことも多いので、現場に入って働くこともたまにあります。

ゆくゆくで3名採用|きっかけは助成金支援なども含めたサポート体制

ーーーなぜ、当社の人材採用支援サービスを利用しようと思われたのですか?もちろん当社からの案内がきっかけかとは思いますが、その上で決め手になった点などがありましたら教えてください。

そうですね、最初のきっかけはネットでの検索です。

もともと宿泊業界は、ネットで求人広告を出すのが普通の流れで、たくさんの予算を投資しても採用できないことが全然あり得るんです。

もちろん、給料の限界もあるので、他業種に負けてしまうことが多く、採用に悩んでいる旅館は多いと思います。

奈良屋では、ネット広告だけでなく、派遣の採用と人材紹介も利用しています。

ただ、人材紹介は、採用を確実にできる代わりに、採用の手数料として、年収の30%をお支払いしなくてはならないこともあり、他にもっと予算や効率の良いものがないかネットで探していたところ、ゆくゆくに出会いました。

ゆくゆくに決めた決め手の1つとして、キャリアアップ助成金が利用できるというのもあります。

コロナで様々な補助金の事を勉強し、キャリアアップ助成金があることを知りました。

キャリアアップ助成金を利用すれば、採用活動経費を抑える事が出来、その分を従業員の給与増等に回せるのが大きなポイントでした。

ーーー現在、3名の人が当社からの紹介で入社されていますが、それぞれの皆さんのご状況はいかがですか?

はい、3名採用させていただいた中で、2名の方の紹介をさせていただきますね。

まず1人目の山田(仮名)さんは、10月から草津で働いています。

もともと、ゆったりとしたカフェで働いており、本格的な調理は未経験でした。

最初は、グループ会社の豊洲奈良屋にて2ヶ月間働いていただいたのですが、草津温泉での仕事も経験して欲しかったため2週間の草津研修を行ったところ、本人の希望で今度は草津で働くことになりました。

今までの都内での生活とは違う環境に刺激を受けたとのことでした。
現在は、接客、裏方全てやっていただいています。

弊社としては、店舗も多く色々な部署もあるので、いろんなことを経験できる環境を用意しています。

得意な分野を見つけて、成長していただければと思います。

ーーそうだったんですね。他の方はいかがでしょうか?

2人目の小林(仮名)さんは、将来、独立したいという夢があり、もう少し勉強したいと思って奈良屋に入社してくれました。

もともとパティシエの学校に通っていて、結婚後、草津のレストランなどで10年ほど働いていたそうです。

奈良屋では、お食事の最後に料理長が挨拶に行ったり、寿司を目の前で握ったりなど、お客さまが喜んでくれるおもてなしをしています。

海なし県で料理の満足度をあげるのは難しかったのですが、お客さまが喜んでくれるようなおもてなしで、売り上げも口コミも過去最高になったんです。

それを小林(仮名)さんがネットで知り、さらに有名な料理人、太田忠道さんの門下で学べるということで働きたい!となってくれたようです。

現在は、調理をバリバリやっていて、今後もさらに活躍してくれると思っています。

旅館ならではの職場環境だからこそ、選考では人間性を重視

ーーー選考の際、重視されているポイントはありますか?

はい、1番重視しているポイントは人間性です。

旅館には、いろんなお客さまが来るし、働いている人も年代や働き方も違った色々な人がいます。

その中で、自分がどのように立ち振る舞っていくかが本当に大切なんです。

業務の出来に関しては、何ヶ月か経てば慣れるので、未経験であっても、一緒に働く人と仲良くできて、もちろん、お客さまとも仲良くできるような人を採用したいと思っています。

たとえば、寮住まいだと同僚とは距離感が近かったり、20代〜60代まで自分と全然違う年代の人と働くのは、旅館ならではだと思います。

だからこそ人間性がとても大切で、どのような立場であっても、相手を尊重してやっていける人を採用しています。

マルチタスクな働き方で他部署とフォローしあえる体制に

ーーー周りの人とうまくやっていけるかどうかは重要ですよね。その中でも、どんな方が活躍されていらっしゃいますか?傾向などがありましたら教えてください。

そうですね、マルチタスクができる人が活躍している印象です。

昔の宿泊業は、部署が決まったら、やることは1つでしたが、今は、3つ4つやってもらうことが多いんです。

たとえば、お客さまに朝夜の配膳を行っている仲居さんは、朝働いて、昼は一度退勤し、また夜の仕事で戻ってくるというような中抜けシフトが多かったんです。

ただ、生活スタイルが変わってしまうので、それをやめるために、朝の配膳をしたら、昼休憩をして、夕方まではフロント業務をしてもらうなど、通しで働く代わりにポジションを兼任してもらうことにしています。

そのため、1人の人がいくつかのポジションを覚えないといけないので、マルチタスクが大切になってきています。

また、私自身が飲食業を経て、観光業にきたこともありますが、飲食経験者は特に活躍できるのではないかと考えています。

サービス業でお客さまを楽しませる仕事という共通点や、残業などは少ないですが、お正月等一般的に人が休んでいる時に仕事があるというのは、飲食店と変わりません。

飲食店経験者はその忙しさを経験しているので、宿泊業にくると武器になり、即戦力になると思います。

また飲食業よりも、観光業は業務の幅が広く、設備や取引先も多いです。

そのため、キャリアアップやポストの選択肢は観光業の方が広いので、おすすめなんです。

ーーーマルチタスクな働き方ですと覚えることも多く、入社して間もないタイミングでは、慣れるまでに苦労される点もあるかと思います。特に大変な点はありますか?

覚えるのは確かに大変なこともあるかと思いますが、1つ1つの仕事は、そこまで専門性がないので、1つだけだと飽きてしまう可能性があると思っています。

マルチタスクにいろんなことをやってもらって、自分の向き不向きを理解してもらうのも大切だと考えています。

また、他部署へのヘルプにいく時に、1度そのポジションを経験していると相手の苦労がわかるので、フォローしあえるし、常に忙しいかどうかなど、他部署に気を遣えるのもメリットの1つです。

忙しい時間帯はもちろんあるので、自分たちで考えて、部署同士フォローしあえる体制を作ることが、旅館運営において大切だと思っています。

人それぞれに寄り添ったキャリアアップでポジションも進化

ーーー業界的にキャリアアップを目指して働かれている方もいらっしゃるかと思います。奈良屋さんだからこそ経験できることや魅力などをお聞かせください。

奈良屋は、今、家業から企業に変化を遂げている途中です。

今は副支配人というポジションはないけれど、こういう人がいるから、新しいポジションを作ろうなど、ポジションもどんどん増えています。

奈良屋だからこそできることとしては、マルチタスクな働き方も含め、いろんな店舗でやっているので、一地方の旅館に就職するよりは、社内での選択肢が広いです。

たとえば、オフィスワークをやっていた人で、田舎での生活に憧れて移住し、旅館でレストランサービスになったけど、実際にやってみたら、イメージと違った、辞めますみたいなケースもよくあります。

でも、奈良屋なら相談していただければ、店舗も複数あるので、予約業務などの事務系のお仕事に異動してもらったり、東京の営業所で事務をすることもできます。

さらに、新しく予約管理のマネージャーを作ろうか、というような話になったりすることもあります。

私自身も最初はレストランサービスの派遣からスタートしているので、今携わっている店舗開発や、店舗管理のような仕事をするとは思っていませんでした。

奈良屋は、役職ありきで、人を当てはめていくのではなく、人材優先で、人が揃ってきたら役職を増やしていくスタイルなので、キャリアアップの幅は広いと思います。

移住者受け入れのために社員寮を用意

ーーー転職を機に「移住」してくる方もいらっしゃるかと思います。この草津温泉という地域の魅力を教えてください。

移住してくる人にとって、リゾートマンションは魅力の1つだと思います。

管理費はかかりますが、大体40平米で200万円くらいで買えてしまうんです。

ご夫婦で移住しても十分な広さですし、管理人がしっかりいて、プールや温泉もついているのも毎日の楽しみが増えるのではないでしょうか。

また、お隣さんが通年住んでいるというよりも、夏だけなど短期で来る人も多いので、田舎特有の近所の煩わしさや、ご近所付き合いもあまりないのも特徴です。

2つ目の魅力は、貯金がきちんとできるということです。

食事も、外食も少なく、会社で働いている時間は安く食べることができるし、初期費用もあまりかからないので、お金を使うところもあまりないというのも移住者にとってはメリットになると思います。

そして、他の温泉地よりも、草津は1年の中で仕事の浮き沈みが少ないのも魅力です。

シーズンで繁忙期が大幅にあるわけではないので、年間を通してお仕事がなくなる心配がありません。

また、インバウンドも10%以下なので、コロナや噴火などで一度お客さまが離れていってしまうことがあっても、戻りが早いのが特徴です。

ーーー移住者にとって草津温泉は魅力がたくさんあるんですね。そこで、移住者の受け入れのための独自の制度や取り組みなどがありましたら教えてください。

奈良屋では、今後、社員寮の改装を数億円かけてやろうと思っています。

移住してくる方には、最初は、寮に住んでもらうことを推奨しています。
理由としては、草津にいきなり来て、合わなかったらお金ももったいないなと思っているからです。

寮は月12,500円で、最初は着る服だけあれば生活ができます。

1ヶ月生活してみてから、本当に草津に住み続けられるか考えた方が良いといつもお伝えしています。

最終的には、先ほどお伝えしたリゾートマンションなどへ引っ越して自立してほしいと考えていますが、東京での生活とは全く違うものになるので、まずは綺麗な寮でお試し生活をしてほしいです。

自治体では、移住者コミュニティを作っています。

若い方の移住も増えてきたので、定期的にイベントを開いて交流しているそうです。

社員は移住者が9割。草津は移住者が馴染みやすい環境

ーーー本日はたくさんお話を聞かせていただき、ありがとうございました!最後に、「ゆくゆく移住手帖」をご覧になっている方へのメッセージなどがありましたらお願いします!

こちらこそ、ありがとうございました!

奈良屋で働いている人は、9割が移住してきた人です。
そういうところなので、移住してきても馴染みやすい環境だと思います。

田舎の良くも悪くもの距離感はあまりないのに、通勤時間は短く、仕事の波が少ないのが草津です。

東京までバスでいけることや、無料の共同浴場が19箇所くらいあって、仕事帰りに毎日温泉に入れたり、スキー場にも歩いていけるので、仕事とプライベートのメリハリはしっかりとあると思います。

働き方や就職先も色々あります。
人それぞれの経験になるような仕事や、お給料も魅力になるよう頑張っています。

そのために、値上げすることになっていますが、その分設備投資をしたり、接客の部分も向上しているので、口コミも一緒に上がっているのが現状です。

1人あたりの単価を上げることで、その分お給料も上がるので、従業員の満足度が上がり、より良いおもてなしでお客さまの満足度も上がるといった好循環ができあがっています。

他の地方と比べて、普通の給料も稼げて貯金もできるので、5年後、10年後にもし東京に戻りたくなったら戻れる資金はあるので、草津温泉は移住にとてもオススメです。

ホテル・旅館の採用なら『ゆくゆく』

佐野
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今回は、「奈良屋」総支配人の佐伯さまに、採用への想いや大切にしているポイントについて話を伺いました!

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